社会事業史学会創立50周年記念論文集
戦後社会福祉の歴史研究と方法—継承・展開・創造
第1巻
《思想・海外》
Ⅰ 社会福祉の思想・価値・規範 歴史のなかでいかに問うのか
・福祉思想の史的研究方法論の全体構造化《加藤博史》
・社会事業史研究の経緯と方向性―三つの位相という観点から《細井 勇》
・「福祉思想史」研究に関する一考察―「新たな価値」に基づいた社会を変革する思想に着目して《金子光一》
Ⅱ 思想としての宗教が問うもの
・日本仏教福祉史研究の方法と課題―研究の視点と方法をめぐって《長谷川匡俊》
・前近代仏教福祉史研究の課題設定をめぐる問題点《宮城洋一郎》
・吉田久一による社会事業史研究の成果及び継承と克服―宗教についての記述を中心に《杉山博昭》
・仏教社会事業史からみた「福祉をめぐる公共空間」と社会倫理《井川裕覚》
・キリスト教社会福祉の探求―戦後の議論と歴史研究の方法的課題《永岡正己》
・キリスト教と福祉史研究―方法論のふり返りと展望《田中利光》
Ⅲ 人物史研究がひらくもの
・社会事業史・人物論の可能性を求めて―近代国家を背景とする再検討《小野修三》
・報徳仕法としての農村社会事業―勝間田村児童保護事業と飯田栄太郎《畠中 耕》
・女性史研究と社会事業史研究の交差点への探求―「博愛社」に捧げた大嶽節子のHer Storyを通して《今井小の実》
Ⅳ 当事者視点への接近
・ソーシャルワークと歴史研究方法―援助される側の「物語り」の成立の可能性《木原活信》
・歴史研究における個人情報保護と個人の視座のもつ可能性―障害者教育・福祉史分野から《佐々木順二》
Ⅴ 言説分析の可能性
・社会福祉史における構築主義と言説分析の可能性《野口友紀子》
・前近代の福祉の視点を求めて―中近世移行期の日記の検討から《大嶌聖子》
Ⅵ 海外社会福祉歴史研究の方法
・アメリカ社会福祉の歴史研究の回顧と展望《西﨑 緑》
・ドイツの社会政策史研究について《北村陽子》
・日本におけるドイツの社会福祉史研究の振り返りと展望―教育史研究とのかかわりに焦点をあてて《杉原 薫》
・ドイツ病院社会事業の成立史研究における国際的意義《島野麻里子》
・植民地朝鮮における「近代化」「近代性」をどう捉えるか―社会事業史研究と「植民地近代」論《田中友佳子》
・戦後、東アジア社会福祉歴史研究の方法と視座《大友昌子》
第2巻
《理論・総括》
Ⅰ 福祉原論と人権 歴史のなかでどう捉えるのか
・社会福祉原論研究における歴史研究の位置付けについて《岩崎晋也》
・戦後における社会福祉法制研究の軌跡と課題《鵜沼憲晴》
Ⅱ 地域福祉の展開と福祉運動の捉え方
・地域福祉の源としてのセツルメントの小規模さと文化性、人格的交流、主体形成《柴田謙治》
・複合的側面を有する対象への研究方法論の検討-学生セツルメント史研究を例として《岡本周佳》
・社会事業の運動史―戦前・戦後の運動の相違と連続性《渡邊かおり》
Ⅲ 貧困と福祉労働からの視座
・生活困窮者・貧困研究における方法論の到達点と限界の克服―「エネルギ革命期」の生活困窮者救済をめぐって《平 将志》
・高齢期の貧困、生活問題研究とその周辺―1960年代~1990年代前半を中心に《山田知子》
・戦後失業対策事業・失対労働者研究の意義と射程―被差別部落民・在日朝鮮人・女性失対労働者《杉本弘幸》
・社会福祉労働論の歴史的成果と今日の課題《義基祐正》
Ⅳ 福祉対象の把握と支援の視座
・児童・少年の司法福祉史研究―児童・少年保護の対立史から連係・協力史への視座《竹原幸太》
・高齢福祉史研究の方法論の回顧とホームヘルプ事業史研究の展望《中嶌 洋》
・衛生・医療史研究の方法論の回顧と展望―精神医療史から社会事業史への接点をさぐる《橋本 明》
・社会福祉学領域における精神障害者に関する歴史研究の動向《宇都宮みのり》
・社会事業分野の専門相談に関する歴史研究の課題《末田邦子》
・「精神保健福祉」通史―精神科領域単独の国家資格化を経た、現代におけるソーシャワーク回帰と地域での役割開放《大西次郎》
・戦時下のハンセン病療養所と入所者《川﨑 愛》
Ⅴ 実践史という視座
・実践史研究の研究方法とその可能性を求めて―岡山孤児院史研究などの経験を通して《菊池義昭》
・英国のボランタリー団体におけるソーシャルワーク実践史に関する研究方法論《三上邦彦》
・一九世紀後半の英国児童福祉実践史研究の方法論に関する一考察―ドクター・バナードーホームの実践史研究の成果を踏まえて《髙松 誠》
Ⅵ 社会史からのアプローチ
・社会史研究からアプローチする社会福祉の歴史研究《輪倉一広》
Ⅶ 史料論
・社会事業史研究の基盤としての史料アーカイブの理論と実践―その現状と今後の展望《野口武悟》
Ⅷ 総括
・戦後社会福祉の歴史研究と今後の展望―機関誌『社会事業史研究』の歩みを中心に《元村智明》