リプリント 国立療養所大島青松園史料シリーズ
香川県木田郡庵治町(現在は香川県高松市庵治町)の大島に、1907(明治40)年公布の法律第11号「癩予防ニ関スル件」とその関連法によって、同法などが施行される1909(明治42)年に中国四国地方八県連合の第四区療養所が開設された。この療養所が翌1910(明治43)年に、大島療養所と名称をかえる。1931(昭和6)年に「癩予防法」が公布、施行され、やがて第二次世界大戦下の1941(昭和16)年には厚生省に移管されるとともに、同所が国立癩療養所大島青松園となる。そののち、国立療養所大島青松園と名がかわって現在にいたる。
2012年1月1日の時点で在園者数は男女あわせて94名、その平均年齢は80.8歳である。
報知大島(ほうちおおしま)
(一九三二(昭和七)年~一九四一(昭和一六年)年)
◎「報知大島」——内容と特色
1.ハンセン病療養施設「大島療養所」(現在の国立療養所大島青松園の前進)内の自治会、キリスト教団体などが残した主に戦前期を中心とした院内誌、逐次刊行物などを順次刊行する「リプリント 国立療養所大島青松園史料シリーズ」の第1回刊行分である。
2.同療養所の自治組織が1930年代~1940年代にかけて発行した逐次刊行物「報知大島」を復刻刊行するものである。その所在が確認できた第1号[1932(昭和7)年3月15日]~第184号[1941(昭和16)年8月10日]の紙面をすべてそのまま収録する。
3.「報知大島」は、自治活動、生活状況、文芸、芸能、投書、院内の動向など療養所内の日常を細かに伝える基本的に月二回発行の刊行物である。
4.「国立療養所大島青松園キリスト霊交会」「国立療養所大島青松園協和会(自治会)」の保管する資料を原本として復刻。
全1巻
価格:9,000円(税別)
並製、箱入り/全410頁 解説(収録)/ISBN978-4-86364-227-0
2012年12月刊行/発売中
藻汐草(もしおぐさ)
(一九三二(昭和七)年~一九四四(昭和一九)年)
◎「藻汐草」——内容と特色
1 ハンセン病療養施設「大島療養所」(現在の国立療養所大島青松園の前進)内の自治会、キリスト教団体などが残した主に戦前期を中心とした院内誌、逐次刊行物などを順次刊行する「リプリント 国立療養所大島青松園史料シリーズ」の第二回刊行分である。
2 同療養所の野島泰治(または宗内敏夫)が一九三〇年~一九四〇年代にかけて発行した逐次刊行物「藻汐草」を復刻刊行するものである。第一号[一九三二(昭和七)年四月一〇日]~第一一三号・休刊号[一九四四(昭和一九)年七月五日]の紙面をすべてそのまま収録する。
3 「藻汐草」は、文芸(和歌、俳句、詩、川柳、随筆など)を軸に行事記録、慰問記録、日誌、編輯後記などから構成される総合誌である。
4 「国立療養所大島青松園青松編集室」「国立療養所長島愛生園神谷書庫」の保管する資料を原本として復刻。
5 別冊に解説「総合する企て─『藻汐草』を解説する」と収録資料目次総覧を掲載。
全10巻+別冊1
●セット1 全5巻(1~5巻[第1号~第55号収録])
価格:55,000円(税別)/ISBN978-4-86364-229-4
●セット2 全5巻+別冊1(6~10巻[第56号~第113号収録])
価格:65,000円(税別)/ISBN978-4-86364-230-0
A5判並製、箱入り/約5,300頁
2014年5月刊行/発売中
霊交(れいこう)
(一九二二(大正一一)年〜一九四〇(昭和一五)年)
◎「霊交」——内容と特色
1 ハンセン病療養施設「大島療養所」(現在の国立療養所大島青松園の前進)内の自治会、キリスト教団体などが残した主に戦前期を中心とした院内誌、逐次刊行物などを順次刊行する「リプリント 国立療養所大島青松園史料シリーズ」の第3回刊行分である。
2 同療養所で結成されたキリスト教霊交会が1910年代~1940年にかけて編集発行した逐次刊行物「霊交」を復刻刊行するものである。「霊交」は、一九一九年に創刊されたとの記録があるが、初期の号はみつからず、第三巻第四号(一九二二年=大正一一年一〇月一日)から第二六五号および附録(一九四〇年=昭和一五年一二月一〇日)に亘り発行された現存するものすべてを収録する。
3 「霊交」は、随想、自伝、聖書研究、詩歌、島の近況、身の上話、寄附、会報、編輯後記などから構成される。
4 「国立療養所大島青松園青松編集室」「国立療養所長島愛生園神谷書庫」の保管する資料を原本として復刻。
5 別冊に、監修者による『霊交』についての解説、および『霊交』各号の目次一覧を、また、『霊交』を理解する一助として、土谷勉『癩院創世』(木村武彦、一九四九年)のリプリントと解説を収録した。
◎《別冊》内容
・解説(阿部安成):媒材となる交信を―『霊交』を解説する/転成と創世―『癩院創世』を解説する
・附 史料『癩院創世』
・霊交 収録資料目次総覧
『癩院創世』とは
昭和24年5月25日発行。長田穂波の遺した原稿「永生の輝き」をもとに大島青松園の療養者であった土谷 勉が著わす。療養所のキリスト教霊交会創設者の一人三宅官之治の伝記を中心にすえ、キリスト教霊交会の信徒からは今も会の正史のごとくあつかわれる。
全6巻+別冊1(含:復刻「癩院創世」)
B5判並製/約2,900頁
価格:92,000円(税別)/ISBN978-4-86364-382-6
別冊のみ別売可(A5判並製、210頁)/定価:2,000円+税
2015年4月刊行/発売中
リプリント ハンセン療養所シリーズ
選ばれた島
◎『選ばれた島』——内容と特色
・「リプリント ハンセン病療養所シリーズ」の第一回刊行分で、ハンセン病療養者の青木恵哉を著者とする『選ばれた島』の初版(発行者W・C・ヘフナー、1958年)と復刊版(編者渡辺信夫、発行所新教出版社、1972年)を復刻刊行するものである。
・国立療養所沖縄愛楽園自治会と監修者との協議を経て、『選ばれた島』の初版と復刊版の全頁をそのまま収録。
・監修者による『選ばれた島』についての解説を巻末に収録。
・国立療養所沖縄愛楽園自治会と国立療養所大島青松園キリスト教霊交会の協力のもと写真も多数収録。
・初版は国立療養所沖縄愛楽園自治会、復刊版は新教出版社と渡辺信夫氏の許可を得て刊行する。
全1巻 解説収録
A5判並製/全658頁
価格:2,500円(税別)/ISBN978-4-86364-346-8
2015年4月刊行/発売中